【建設現場入門⑤】図面と工程を使った効果的なコミュニケーション – 会話力を増幅させる方法
建設現場で図面と工程表は必須ツール。でも実は、これらは「会話の補助ツール」なんです。
図面と工程表を使いこなすことで、あなたの会話力は劇的に向上し、現場での価値提供が大幅にアップします。
仕事の本質「人と人のシンクロ」
すべては「頭の中の共有」から
建設現場では自分の頭の中で考えていることを言語化して以下を行います。
- 目の前の職人さんに考えや判断を伝えます
- 先輩や後輩に考えや判断を伝えます
このとき重要なのは?
自分の頭の中と目の前の相手の頭の中が、どれだけ「シンクロ」できるか。
これが勝負になります。
「段取り」を決めるシンクロレベル
このシンクロのレベルによって「段取りの良し悪し」が決まります。
段取りとは、仕事の先を見通し準備をすることです。
段取りがいい人
・シンクロさせる力が強い
・相手の理解度を把握できる
・的確なタイミングで情報共有できる
段取りが上手ではない人
・自分の勝手な理解で進める
・相手とのシンクロを考えない
・一方的なコミニュケーション
建設現場の共通目的
建設現場では何を目的にして毎日過ごしていると思いますか?
建設の3つの絶対条件
決まったお金で
決まった品質の建物を
決まった期日までに
↓
納品する
これが建設現場に関わる人全てに共通する「目的」です。
目的達成のためのコミュニケーション
この目的を達成するために、
- 毎日みんなが頑張っています
- 目の前の人に「言葉」を使ってやって欲しいことを「会話」で伝えます
そして建設現場では「図面」と「工程」が言葉の強力な補助ツールとなります。
図面と工程の真の役割
会話の「補助ツール」という位置づけ
図面や工程はメインツールのように認識されますが、私の経験からは「会話」の補助ツールです。
仕事の本質
自分の頭の中の計画や考えを、目の前の人間に言葉で伝えてシンクロさせることである。
図面・工程の役割
- シンクロのレベル感を高めるための補助
- 言葉だけでは伝えきれない詳細情報の共有
- 共通認識のプラットフォーム
使える図面・工程の条件
本当に使える「図面」と「工程」の条件は何だと思いますか?
それを使う人にわかりやすい表現になっていること
だから自己満足のためのツールではだめなんです。(でも世の中の図面や工程は自己満足の場合が多い)
使える図面の特徴
情報の精選
- 欲しい寸法が、欲しい場所にきちんと記載されている
- いらない情報は記載しない
- 必要な情報は多くても表現する
目的の明確化
- 作り手に分かりやすい
- 成果に直結する
- 価値がある
なぜ図面が必要なのか?
建設の特殊性
建設は商品の性質上、形や機能が明確に指定されています。
他業種との違い
「ヘアカット」
特徴:個人の感覚や好み
基準:感性、センス
「アパレル」
特徴:デザイナーの感性
基準:トレンド、美意識
「料理」
特徴:シェフの創造性
基準:味覚、経験
「建設」
特徴:明確な仕様指定
基準:数値
建設の厳格な要求
- 地震に強くなければならない
- 雨が入ってきてはならない
- 光や空気のコントロールも基準値をクリアしなければならない
- 形や仕様はミリ単位で指定される
ミリ単位の精度への対応
このミリ単位で正確に指定された仕様を形にするためには、言葉だけでは困難です。
だから図面を活用するのです。
作り手に分かりやすい図面の価値
- とても価値がある
- 成果に直結する
- 現場の生産性が向上
なぜ工程表が必要なのか?
建設現場の複雑性
ミリ単位で指定された仕様を、決められた期間に納品する必要があります。
多専門職の協働
建設の特徴
- とても多くの専門職が毎日あちこちでものづくりをしている
- そんな彼らの動きをコントロールする必要がある
「建物完成」という最も大きな目的のために
小さな目標を適切なタイミングでクリア
- A→B→C→と順番に進める
- 多少ラップしながら進める
- 前後の工事が密接に関係
具体的な関連性の例
基本的な工事の流れ
複雑な調整が必要
- 単純なスケジュールなら口頭+メモで対応可能
- しかし複数の工事が同時進行
- 密接に絡み合う作業
- 天候による調整も考慮
だから工程表というツールを活用する。
- 進捗のコントロール
- 工程調整の打ち合わせ
- 全体最適の実現
図面と工程を活かす会話力
重要なポイント
あくまで図面と工程は、会話を使って仕事を進めるためのツール
基本となる能力
基本は文章力や会話力
しかし、建物を建てるという目的において強力な補助ツールとなる図面と工程表は、
- 常に意識する
- 積極的にスキルアップする
- 経験を蓄積する
図面を使った効果的な会話
具体例「鉄筋配筋の指示」
図面を使わない場合
「鉄筋の間隔がおかしいので直してください」
図面を使った場合
「この図面のA-3通りの柱部分を見てください。
構造図では@200(200mm間隔)となっていますが、 現状は250mm間隔になっています。柱は構造体なので、図面通り200mm間隔に修正をお願いします。」
効果的な会話のポイント
- 具体的な位置指定(A-3通り)
- 数値での明確化(200mm間隔)
- 重要性の説明(構造上重要)
- 明確な依頼(修正をお願い)
工程表を使った効果的な会話
具体例「工程調整の打ち合わせ」
工程表を使わない場合
「もう少し早くできませんか?」
実際、こういった抽象的な依頼事項は「理由」が不明確なので、特に職人さんとのトラブルになるケースが良くあります。
工程表を使った場合
「工程表を見てください。 現在2日遅れていますが、次の電気工事が 来週月曜から予定されています。
土曜日までに完了していただければ、 全体工程への影響はありません。 残業対応は可能でしょうか?」
効果的な会話のポイント
- 現状の可視化(2日遅れ)
- 影響の明確化(来週月曜から電気工事)
- 解決策の提示(土曜日までに完了)
- 協力の依頼(残業対応は可能か?)
上記のように理由を明確にして依頼することが大切です。
そして、依頼する際は依頼先の人との人間関係も大切です。
いつも会話する中であればもう少しフランクに依頼します。
まだ関係性が浅いのであれば、より丁寧な表現と丁寧な理由の説明が必要になります。
段階的なスキル向上
図面や工程表といったツールはいくら勉強しても最初から理解することは難しいです。
そのため段階的にそれらのツールを扱えるようになる必要があります。
図面・工程の理解、活用レベル
初級レベル「図面を読む、工程を理解する」
目標
- 図面の基本的な見方を理解
- 工程表の読み方を理解
- 簡単な説明ができる
中級レベル「図面・工程を使って説明する」
目標
- 図面を指しながら的確な指示
- 工程表を使った調整会話
- 問題点の可視化
上級レベル「図面・工程で価値創造」
目標
- わかりやすい図面の作成
- 実現可能な工程表の作成
- 関係者全員の理解促進
実践的な活用方法
毎日の業務での意識
図面活用
- 指示を出す時は必ず図面を見せる
- 位置や寸法を具体的に示す
- 相手の理解度を確認する(非常に大切!)
工程活用
- 今日の作業が全体に与える影響を具体的に説明
- 遅れの原因と対策を可視化
- 次の作業との関連性を明確化
AIあっきーとの練習(ワーク)
伝えるスキルの練習をしましょう。
仮想ケーススタディ
【状況設定】 あなたは現場の係員です。新しく入った職人さんから 「この柱の鉄筋、どのくらいの間隔で組めばいいですか?」 と質問されました。図面には「D25@200」と書かれています。
【練習内容】
・この情報を職人さんにわかりやすく説明してください
・なぜその間隔が重要なのか理由も含めて伝えてください
・職人さんが理解できたかどうかを確認する質問も考えてください
会話力向上の相乗効果
図面と工程表を使った会話力を極めると、驚くほど仕事ができる人材になります。これは本当です。
具体的な効果
信頼度の向上
- 専門性が伝わる
- 準備がしっかりしている印象
- 説得力のある説明
効率性の向上
- 誤解が減る
- 手戻りが少なくなる
- 意思決定が早くなる
価値提供の拡大
- より複雑な調整ができる
- チーム全体の生産性向上
- 顧客満足度の向上
まとめ
重要なポイントの再確認
1. 図面・工程は会話の補助ツール
- メインは会話力
- 図面・工程で効果を増幅
2. シンクロが仕事の本質
- 相手との認識合わせ
- 共通目的の達成
3. 段階的なスキル向上
- 読む→使う→つくる
- 継続的な経験蓄積
4. 実践での活用
- 毎日の業務で意識
- AIあっきーとの練習
ぜひ覚えておいてください。
図面と工程表を使った会話力は、建設現場での価値提供を劇的に向上させる強力なスキルです。
理解度チェック
この動画を見て、以下の質問に答えられますか?
- なぜ図面・工程は「補助ツール」なのか説明できる?
- 建設現場の共通目的(3つの条件)を覚えている?
- 良い指示と悪い指示の違いを説明できる?
- 段階的なスキル向上の流れを理解している?
AIあっきーと対話してみよう!
今日見た図面や工程について、学びや気づきを共有してみてください。
そして、AIあっきーにケーススタディを依頼して、相手にわかりやすく説明する練習をしてみてください。
次のステップ
図面と工程の活用方法を理解したら、次に建設現場での実際の1日の流れを学びましょう。

